そんな時代
1986年20歳の頃、アップルコンピューターを持っているという同級生がいた。当時としても大変珍しかったのであろう、名古屋出身の彼は「アップル君」と呼ばれていた。マイクロソフト社も、その時すでに設立から10年を経過している。
ノースウイング社が起業したのは、さらにそこから19年間も経た2005年だ。つまりノースウイング社はパソコンが得意だとか、パソコン教室からスタートしたとかいう、いわゆる「そっち系」出身ではない。でも起業当時は、とても焦りがあった事を覚えている。アップル君は19年も前からパソコンを持っている。そしてアップル君でさえも、想像できなかったであろう未来社会が訪れようとしているのに、まだ「インターネットは一部のオタク用」とか、「インターネットで客なんか呼べない」という感覚の企業家が大多数なのは危ういと感じていた。
広告デザイン会社の出身で、まして営業上がりの身としては、集客結果を出さないと次の取引をしてもらえないことを宿命として生きてきた。だからこそ、ノースウイング社のホームページはデザイン性に優れ、売り上げに結びつくホームページ作りを信条とした。
そして、「企業収益を上げてもらうこと」をミッションとし、分かりにくい世界をオールインワンパックで提供するサービスで信頼を得た。さらには、田舎のホームページ屋さんではいけない、東京のクオリティとあらゆる面のサービスで負けないようにするには知識の結集しかないと思い、早々にコンソーシアム(共同事業体)体制を整えた。その意味では、ノースウイング社の提供するWebサービスは、地元地域の有能な人材活力を結集したサービスなのである。
転機
「あんたには、あんたにしかできん何かが必ずあるんやて。それが何かは私にもわからんけど、必ずあんたにしかできん事があるはず。」
そう教えてくれたのは、有名な観光地でホームページ業を営む人気社長だ。長野県伊那市を中心エリアにするノースウイング社ではあるが、実は2016年~2017年にかけては、思うところがありエリアを空けた。都市部はどうなのかを見たくなったのだ。人口が減り始め、景気が上向かないままの地方。ノースウイング社も負のスパイラルに悩んでいた。一方でタワーマンションが乱立し、オリンピックを控えて好景気に沸く東京。「え!今って景気が悪いの?」との答えに驚いた。地元の発注はコンソーシアムの仲間に支えてもらいながら、若い頃に暮らした横浜にサテライトオフィスを構えてみた。どうやって、都会では100万円でホームページを売るのか?ビジネスモデルや、世界観の違いを実感してみたかった。
結論からすれば、中小企業が活用するのであればノースウイング社はとても優秀で安価であることがわかった。だが商売は高く売るのが基本である。まずは正々堂々と、自分の仕事に誇りを持った対価を求めて良いのだと腹をくくった。しかし値上げするだけで許してくれるほど社会は寛容ではない。どうしたら、もっと社会から強く求められる存在になれるのだろう?そう悩んでいた頃の前述のアドバイスだ。でも、「俺にしかできないことなんて…ある?」
気付き
心の奥にはずーっとモヤモヤしたものを抱えてはいたが、それが何なのかはわからなかった。
しかしある日の不動産会社の社長さんの言葉に、その答えがあった。「この物件って、◯◯不動産のホームページにも出ている。お客さんはどっちで契約しようが手数料は同じだから、有名な方の◯◯不動産で契約してしまうのかな…。何とかウチで契約を取りたいけど、ウチが信用できる会社かどうか?までをホームページ上で伝えるのは難しいからね。」そうおっしゃっていた。ああ、モヤモヤしていたものはこれだと思った。
お客さんが真剣であればあるほど、ホームページは隅々まで見られている。虎視眈々と調査されていると認識した方がいい。せっかく訪れてくれたユーザーの心を一度で掴んで離さない様にしてしまわないと、お客さんは大手の会社と契約してしまうのだ。そのためには、ホームページが担う以外の別の手法が必要なのだと思う。
ホームページをどんなにデザイン良く、内容に漏れなく作成したところで、ユーザーの心を掴んでしまうにはもっと別の手法を用いるべきだと私は思った。それをすることが、これからのノースウイング社の新たなミッションだと気付いた。
企画「ノースアップな社長たち」
営業マンの資質などとは関係なく、ホームページからモノが売れていくことこそ重要であり、購買や契約を決断させるだけの威力を発揮するホームページが究極である。中小企業の場合は知名度が低いため、この難問をクリアーするホームページ作りは至難の業である。
そこでノースウイング社が出した答えが「ノースアップな社長たち」企画だ。ホームページ上で、「当社はこうです、ああです」と言っても主体的な発信はどうしても疑いの余地が残るし、そもそもPRは総じて下手な会社が多い。だから第三者が会社を取材して、「こんな会社でした!」と引き出してやる方が、ユーザーにとっても受け入れやすい情報に置き変わるものだ。
中小企業は背伸びをせずに、社長が隠れていないで、社長を知ってもらう方が最も手っ取り早く商売につながるのではないだろうか?
そこで、「私にしかできないこと?→社長という人物像をあぶり出して取材記事を書こう!」と考えた。記事を面倒臭くて読まない人には、動画なら見てもらえるのではないか?動画ならば一瞬で「こんな人柄なんだ」って理解してもらえる。動画をYOUTUBEチャンネルにアップしてしまおうと考えた。でも私よりきっと有能な聞き手や書き手もいるだろうし、動画制作が上手な会社もあるだろうから、もう一丁の付加価値を付けてマンガを付けたら面白いし、他社も真似しにくいだろうと考えてそれらをパック商品にした。
これをお客様のホームページに引っ付けることで、グッと見応のあるホームページになったと思う。さらには、せっかくの記事や動画、マンガをひとまとめにしたWebマガジンサイトを運用すれば、横の拡大にもつながるだろうと考えた。これが「ノースアップな社長たち」の全容である。
Wの願い
ノースアップとは、北を基本にして進行方向を確かめるという意味である。転じて「針路を誤らない」を意味し、困難な時代の舵取りをする社長への賛歌でもある。
ホームページを見てくれた大切なユーザーが、ホームページに引っ付いている「ノースアップな社長たち」の記事を読んでくれれば、「ここの社長ってこんな人なのか…。」と理解してもらえて、社長を身近な存在と記憶し、その会社のファンになってしまっているはずだ。「どうせ買うなら、どうせ契約するならこの社長、この会社で!」となってくれる企画であると固く信じている。
ノースウイング社をご利用いただくお客様には、この企画をホームページとパッケージングすることで付加価値が増し、他社をご利用のお客様にも「ノースアップな社長たち」企画を単体で販売している。
この企画が企業収益の更なるアップに貢献できるツールとなって役に立ちたいと願っている。そしてまた、この企画がノースウイング社の看板商品となり、再度の首都圏への足掛かりとなればとも願っている。